痛いのは当たりまへぢやないか

草野心平の『ヤマカガシの腹の中から仲間に告げるゲリゲの言葉』が好きです。
「死んだら死んだで 生きてゆくのだ」
「おれのガイスト(=精神)でこいつの体を爆破するのだ」
って格好良くないですか?


それに山之口獏の『鮪に鰯』も好きです。
「鮪の刺身が食いたくなったと 人間みたいなことを女房が言った」
「女房も亭主もお互いに鮪なのであって 地球の上はみんな鮪なのだ」
これらの表現、特に下は洗練された表現だと思いません?
「地球の上はみんな鮪」という比喩が素晴らしい。
ここだけ読むと、「何ゆえ鮪・・?」と思うかもしれないが。
気になる人はググってみればいいじゃない。続きがあるかも。


いやあ、日本語は繊細で美しいね。惚れ惚れする。
まあ、自分が日本人だからこそ、そう感じるだけなのかもしれない。
いつだかは忘れたが、松尾芭蕉の有名な俳句、
「古池や蛙飛び込む水の音」をドナルド・キーンが英訳したものを見たことがある。
それは、
「The ancient pond―
 A frog leaps in
 The sound of the water」
というものだったが、
うーん・・ancientなpondにfrogがleapすると、waterのsoundねぇ。
うーん、微妙。なーんか微妙。
これがもし英語圏の人だったら「Excellent!!」と言い、美しいと感じるのだろうか。
自分としては、英訳の面で言ったら見事だと思うけど、美しさの面で言ったら程遠いと思う。
というか「美しさ」の基準は人それぞれで違うから、一概に「美しくない」とは言えないけどね(;´ロ`)


そもそも日本人が感じる「美しさ」って特別なんじゃないかと思う。
龍安寺等の枯山水がいい例。あれを外国人が見ても何も感じないどころか、寧ろ説明しても何故これが美しいのかが理解出来ないと思う。
普通を超越したものを美しいと感じる、言わば日本人の「美的センス」って凄い。
なんつうか、高貴。高貴すぎる。
日本語は奥が深すぎワロタ。大学に行ったら日本語を研究してみるのもいいかも。



ってなんでこんな事を書いているのだろうか。
今日は違うことを書こうとしたのに・・・。ま、いっか。
また次に書こうっと。


あ、そうだ。
ポアロの新曲「8月11日、晴れ、風邪をひいた」をようやくゲット。
ポリと並行して、ヘビーローテーションで聴いてますよ。