アザラシ猟について

今更だが、浅野嬢の4月4日の日記を読んだ。そこでは「アザラシ猟」について触れてあった。
リンク先の反対署名を求めるHPを見ながら、「酷いなぁ」と思いつつ読んでいた。
だがどうしたことか、この事について深く考えてしまった。


アザラシは愛くるしく、とても可愛い。思わずムギューとしたくなる(;´ロ`)
しかし現実では、カナダで毎年アザラシが猟によって殺されているという。


カナダのアザラシ猟反対署名のページではこう書いてある。
2004,5,6年のカナダ政府の捕獲許可数は1年におよそ32万頭、3年間で100万頭のアザラシの赤ちゃんたちが殺される。中でも白毛の赤ん坊アザラシの捕獲は禁止されているが、殺されるアザラシの大半は生後数週間〜数ヶ月の赤ん坊アザラシである。
またこの猟の目的はアザラシの毛皮。よって猟師たちは皮だけを持ち帰り、95%以上のアザラシたちの体は流氷の上でゴミと化する。と。
このサイトの右上にある写真や動画なども見たが、酷い有様だった。
恥ずかしながら、こういった事実を知らなかった自分。反省。


確かにこういった文や写真を見るとアザラシ猟反対!と言いたくなる。
が、一方的すぎるのではないか。もう少し冷静に、客観的になってみてはどうだろう。


まずはアザラシ猟とはなんぞや?と思ったので猟の歴史を調べてみた。
カナダは北アメリカ大陸に位置している。その北アメリカ大陸イヌイットの居住地でもある。
イヌイットは古くからアザラシ猟を生業とし、アザラシは大切な食糧である。食糧といっても、食するだけに使っていた訳ではない。毛皮は衣服になるし、脂肪は燃料になる。そんなアザラシ猟はイヌイットにとって、必要不可欠な存在であった。
しかし時は経ち18世紀になるとヨーロッパからの移民が増え、アザラシ猟は毛皮だけを求める猟へとベクトルが変わってしまった。毛皮は高価な値段で取引されるためだ。
以後アザラシは次々と捕獲されるようになり、ついには絶滅説まで浮上した。そこでアザラシを保護しようとする動物学者等が集い、アザラシ猟に対する反対運動が起こるようになったのである。
そのお陰か、今ではアザラシの数が増え、2005年カナダの漁業海洋省は、アザラシの生息数は1970年代から3倍に増えた約500万頭と推定した。現在では、絶滅する心配はなくなったそうだ。


ここで反対派に対して思う。
アザラシ猟を禁止したらイヌイットはどうなるのか。
アザラシが増えると困ってしまう人、即ち漁師がいることに対してはどうなのか。
人間は鶏、牛、豚を殺生し、食べている。では何故アザラシだけがダメなのか。
アザラシ猟反対署名のHPを見る限り一方的に話を進め、「絶対にNO!ダメといったらダメ!」と言ってる気がしてならない。
昔、ポール・マッカートニーが動物愛護について語っていた記事を読んだ覚えがある。この時も、同じように感情的になり、一方的に愛護論を唱えていた。


正直、こういった問題は線引きが難しい。
ダメというとわれわれ人間や環境にとって不都合が起こるし、イイというと動物の生態系が崩壊してしまう。だからと言って曖昧にしていると自体は悪化していく。
自分としては、アザラシ猟に反対ではない。だが、ブランドに身を包んだ金持ち強欲ババアみたいな奴のために多数のアザラシが毛皮を剥ぎ取られ、殺されるのは許せないし、虐殺に近い過剰な猟もどうかと思う。アザラシ、可愛いし。
だからこれは政府が、反対派も納得するような法を制定するしかないかと。人間が必要とする数だけ捕獲してもよいとかだとか、猟は何日間に限るとかさ。そうでもなきゃ、動物生態系の問題は解決できないと思う。


ちなみに今年のカナダ政府は、32万5000頭のタテゴトアザラシの捕獲を許可したらしい。
きっとこうしている今も、着々とアザラシが狩られているのであろう。
今日は1日勉強をサボってアザラシ猟について考えてしまった。浅野さん、休みを返してください(笑


おまけ。アザラシ猟反対署名のHPで「カナダはアザラシ猟により利益を得ますか?」という質問に対し「たいした収益にはならない」と書いているが、CNNによれば収入は1450万米ドル(適当に言うと10億円以上?)近くに上ったらしいよ。


参考:カナダのアザラシ猟反対署名のページ
あざらしのおへや
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